ハンドベルのご利用は計画的に。

 執事のハンドベルは本当に便利だけど、こっちのお願いを嫌な顔せずに聞いてくれるからといって、あんまり無茶な命令とかお願いとかしちゃだめだよ?
デーズさんにだってやれることとやれないことがあるんだから。

 キミも耳にしているだろうけど、こないだの「   」捕獲作戦のときは本当にひどかったんだよ。
人手が足りなくてデーズさんを呼び出して手伝ってもらったけど、「   」がかなり凶暴な奴でね、捕獲するのに時間かかったうえに犠牲者が多くでた。いやあ、阿鼻叫喚地獄ってああいうことを言うのかね?
さすがのデーズさんも五体満足どころじゃなかったよ。

 あのときはほんとひどかったなぁ。
血の海に横たわるデーズさんをみて回収班の何人かが気絶してしまったくらいひどかった。
そうそう、グロテスクな光景に見慣れている救護班の者でさえも顔を真っ青にして胃の中のものを吐き出したりしていたなあ。

 まぁ、もっともミンチ状態になろうと内臓をぶちまけていようと手足がもげようとも、ハンドベルを鳴らしたらあっという間に生き返って元の状態で現れるけどね、デーズさん。

 だけど、いくら五体満足で生き返るからって、あんまりデーズさんをひどい目にあわせちゃだめだよ。今のところハンドベル使うのに<代償>はないみたいだけど、気をつけておいたほうがいいよ?
その<代償>も何なのかかもわからないし。



 あぁ……もしかしたら、
キミも私たちも気づかないうちにもう<代償>を払っているのかもしれないけど。

<end>


あとがき

ツイッターの「#リプライでお題もらって書く予定のない小説の一部分を書く」タグで、「SCP-662」というお題をもらったので書いたものを加筆修正した代物。
ぷらいべったーからの再録&さらに加筆修正しました。

「SCPってなんや?」と思ってぐぐってみたけど、そういうジャンルがあるんやな。知らんかったわ。
wikiやらピクシブ百科事典などを参考にして書いた代物なんで、なんか違っていたら申し訳ない(汗
作中の怪異「   」の名前はお好きなように想像してくだされ。