#5 奇怪怪々 怪奇現象!

「…………な、何だったんよ?今のは……」
「う、噂は本当…………だったのね」
「し、心臓に悪いわね、今の顔…………」
 応接間から飛び出てきた3人は壁にもたれて荒く息をした。3人とも、滝のような冷や汗を流している。
『熱斗君、大丈夫?』
 ロックマンが心配そうに、声をかける。
「ああ……大丈夫さ。 かなりびっくりしたけどね。ったく、とんでもないところに来ちまったもんだな」
「元はといえば、デカオのバカが心霊写真を撮るとか言って一人で突っ走るからいけないのよ。あー腹が立つわねー」
 肩を息をしながら、やいとが悪態をつく。
「まぁまぁ、やいとちゃん、そう怒らないで。それより早くデカオくんたちを………………っ!?」
 やいとをなだめようとしたメイルの顔が、急に顔面蒼白になった。
「?  どうしたんだよ? メイル」
「ねねね熱斗…………う、後ろ、後ろ……」
 メイルがかちかちを歯を鳴らしながら、いぶかしげに見つめる熱斗の背後を指差す。
 
「え? 俺の後ろがどうかしたの………………!?」
不審に思い、熱斗が振り返ると…………

 銀色に鈍く光る中世風の鎧をまとった首のない騎士が、そこに立っていた。
その手には大きな斧を持っている。

「!!!!!………………ウギャアアアアーーーーー!!!」
「出たぁあああああーーーーー!!」
 熱斗たちの目と口が大きくOの字に開かれる。
 
「に、逃げろぉーーーー!!」
 熱斗の鶴の一声が発せられるや否や、3人はまたもや猛ダッシュで逃げ出した。

 が、
ガションガションと音を立てて、首無し騎士も斧を振り回しながらこれまた猛スピードで追いかけてきた。
「ひ、光君、追いかけてくるわよぉー!!」
「くそう、どうすりゃいいんだよー!!」
 このままでは、追いつかれてしまう。3人ともそう思った。